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執筆者の写真渡邊強

グラスフェッド黒毛和牛(さくらちゃんとしまちゃんについて)



今回はインスタのストーリーやX(Twitter)でずっと投稿してきた、

【しまちゃん】と【さくらちゃん】について、お話させていただきます!

僕がSNSで産まれたからの成長過程をずっと投稿し続けたのはこの子たちが初めて。

実はこの2頭、今までとは違う育て方をしていきます!!


と、その説明の前に

しまとさくらのプロフィールについて軽く紹介させてください!


「しま」は「きくはる」という母牛から2/26日に、

「さくら」は「ふたえざくら」という母牛から3/9日

に産まれました。


早いもので産まれて7ヶ月も経ち、産まれた時は体重30kgでしたが今は200kg前後くらい。

産まれてからは、1ヶ月後には他の牛と一緒に混ざり、離乳を乗り越え、2頭は姉妹のように育ってきました。




1枚目がしまで2枚目がさくらの動画。

しまは産まれた時でまだ羊水で体が濡れています。

さくらは産まれてから2日後ぐらいの時です。



どっちもむちゃくちゃ可愛いですよね!!



さくらは好奇心旺盛で人懐っこい。牛舎に入ると、なになに?と寄ってくる。

しまは怖がりだけど、慣れると甘えん坊。

さらに言うと食いしん坊です笑

どっちも親牛に本当に性格が似ています。


この2頭の牛。

インスタやX(Twitter)を見ている人はもう知っていると思いますが、「国内で誰も育てていない方法で育てる黒毛和牛です」と内容を言わずに匂わせながら、ずーーーっと投稿し続けていました。





今回は国内で現在誰も育てていない方法、とは一体どういう事なのか?

そしてなぜ育てるのか?

についてお話していきたいと思います!



そして最後に、さくらとしまの可愛さについて、画面の向こうの皆さんに僕の肉声が聞こえるぐらいの気合と気力を振り絞り、溢れんばかりの言葉で語りつくそうと思います笑



あ、名前の由来は

さくらは、さくらのおばあちゃんに当たる牛から名前を取りました。実はずっとさくらの家系はバラ科の植物の名前なんです。「もも」とか「ももこ」とか。

しまは産まれた時、背中の柄が珍しい縞模様だったのでしまと名付けました。

今は毛が生え変わって縞模様はなくなったけどね。


よく見ると黒と茶の縞模様になってます

では見ていきましょう!


国内で誰も育てていないってどういう事?

はじめにお断りしておきますが、

【国内で誰も育てていない方法】というのは、

僕が現在調べた限り

ということです!


おいおい、他にも同じことをやって人いるぞ!っていう方がいたら、こっそり教えて下さい。

大学や研究機関は除いてます!



さて本題。



しまとさくらはどう育てていくのかというと、


産まれからお肉になるまで牧草だけで育て牛肉にする、

いわゆるグラスフェッドで生産する黒毛和牛

という事なんです!!!(以後グラスフェッド黒毛和牛と呼びます)

※牧草主体に育てた牛のこと。生産したものはグラスフェッドミルク、グラスフェッドビーフと呼ばれる


産まれてからお肉にになるまで牧草だけ?

ちょっとこれだけだと分からずらい気がするので、

具体的に他の和牛や育て方と、どう違うのか対比させながら詳しく説明します。



ウチで生産している放牧経産牛が10年以上。

一般的な穀物肥育した牛は2年半~3年でお肉になるという中で

牧草だけで育てるグラスフェッド黒毛和牛は

4年でお肉になります。

簡単に言うと放牧経産牛よりも若い牛ということ。


さらに経産牛は成長期や分娩前後に少量穀類を与えるのに対し、

グラスフェッド黒毛和牛は幼少期から牧草オンリー

つまり地元の資源、草だけで育てていこうという牛です。


また肉になるまで4年かかるのは穀物肥育と比べて、

牧草の場合、栄養価が低く成長が遅くなってしまうから。一番大きくなるのに4年かかると言われています。


これが現在研究期間を除くと、現在誰も生産していない黒毛和牛というわけです。


ちなみに牧草や放牧で仕上げた黒毛和牛のお肉というのは、他でも販売されていますがそのほとんどが母親として役目を終えた経産牛だったりします。






はて?牛って牧草しか食べないんじゃないの?

と思われた方、いると思います。

実は日本で生産している牛肉の9割以上は穀物は中心に育てた牛。

いわゆるグレインフェッドと呼ばれる牛肉。


今まで販売してきた放牧経産牛もそうですが、牧草を中心に生産する黒毛和牛というのは、全国でもほんのわずか。

このことは別の記事にも書いているのでぜひご覧ください。



まとると



放牧経産牛は10歳以上の経産牛で、牧草で育てるが幼少期や分娩前後は穀類を少量与える。

一般的な牛は2歳半~3歳で穀類を中心に育てる。

グラスフェッド黒毛和牛は4年で牧草オンリーで育てる。

というような感じです。


さて、これでしまとさくらが国内でも珍しい、グラスフェッド黒毛和牛として育てていく事は分かったと思います。



それでは次に

なんでグラスフェッド黒毛和牛の生産に踏み入ったのか?

についてお話したいと思います。

実はエサの事から放牧場の事など僕は牛を飼う上での色々な思いがあるんです。


なんでグラスフェッドなのか?

結論からいうと

飼料を輸入に頼らない、地元の資源だけで牛肉を生産してみたかった事、

現在放牧している放牧場の荒廃を防ぎ、フル活用したかった

からです。

まだありますが、長くなるので別の機会にお話しますね。


1つ目の地元資源の活用というのは、放牧経産牛と同じ思いからスタートでした。

輸入の穀物に頼らない、円安や世界情勢に影響を受けづらい自給飼料である牧草での牛肉生産です。


また牛の最大の能力は

人が消化できない草資源を肉に変える能力だと思っています。僕らが逆立ちしても消化できない草を食べてくれる。

日本は冬を除くと年中雨が降る気候のおかげで、なにもせずとも草が生えてくる環境にあります。この草という資源をうまく利用し、

「エサを輸入に頼らず、日本の土地の強みを生かした牛肉を生産したい」

という思いが自分の中で強くありました。



2つ目ついては放牧場の事です。

現在放牧している「上の山放牧場」

面積は約60ha(東京ドーム13個分)あり、現在ウチの牛が15頭前後放牧されています。

1頭あたり東京ドーム約1個分の面積使えると言う事です。改めて考えると贅沢すぎる....笑


しかし、かつては共同利用していた放牧場だったのですが、年々農家の減少により頭数も減少。

今では我が家の牛のみの放牧となっています。


実は面積に対して放牧頭数が少ないのが現状なんです。


頭数が減った事で放牧場をフルに使う事ができず、人の手が入らなくなった事もあり、

年々ヤブが広がり荒れ、牛が入りづらくなった場所が増えました。


上の山放牧場の上空 (撮影:佐藤賢次郎)

放牧場には最大でも50頭前後の牛を放牧できることから

ここでグラスフェッド黒毛和牛を増やし、進んでいく放牧場の荒廃を防ぎたい。

鳥海山に囲まれた、美しい上の山放牧場が100年先も残り続け、先代から受け継いだ土地を次の世代も牛を飼育できるように環境を整えたい。


そんな思いで、今回グラスフェッド黒毛和牛の生産に挑戦しました。

ただ単に誰もやってないとか、そういう希少性だけが動機というわけではないんです。




手探りでの生産。僕にとっては新しい挑戦になります。

その挑戦となる初めての牛が【さくら】と【しま】。


ワクワクする事もありますか、

前述したとおり、日本での黒毛和牛のグラスフェッドの生産例は少ないため、生産マニュアルやノウハウなどがありません。

つまり、どういう牧草を食べさせたらどういう味になるのか?など、ほとんど未知の領域。


ビビりな僕には正直不安なところも沢山あります。


でもこれからの【さくら】と【しま】の成長、未知の新しい牛肉の生産は本当に楽しみでもあります!

親牛のそばで熟睡するしま

さらにただ生産をして肉を販売するだけでなく、

実施に皆さんがさくらやしまに会えたり、放牧している様子を見れたりなど、牛のパートナーのように触れ合い、4年間の成長を追える機会を作りたいと思っていますので、興味のある方は今後の情報もチェックして見てください!


成長過程を追った主観のもてる牛。牛肉。

そんな体験を皆さんにも提供できたらと思っています!





あ、あと来週末10/14(土)には今年最後の、放牧場に牛を連れていきます。

2頭の親牛と一緒にさくらとしまも放牧場に向かいます!

参加を募り、一緒に放牧場まで6キロの道のり、牛が歩くのをみなさんと追いかけていくイベントも考えていますので、ぜひ興味のある方は参加してみてください!


朝日が登る田園風景の中、見たことのない光景を見れるのはもちろんですが、道を迷わない牛の賢さにも感動します!






告知は後ほどSNSでさせていただきます!


では!


↑絶好調のさくらちゃん(生後2ヶ月)
























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